ローディに向けるカフェインの説明書

ローディに向けるカフェインの説明書

「強い選手は早朝に作られる」






このような言葉を信じて4年間もこの習慣を続けてきた自分を褒めてあげたい。

“朝練”という習慣は確実に自分を強くしてくれた。

ただ強くなりたいという強い意思があったかと言えばそんなことはない。

なんとなく周りがやっていたからそういうもんか位に考えていた。

ただ自分だけが練習していないと周りから取り残されるなんて思いで続けていた。




いつの間にか気づいたら練習していたのは自分だけになっていた。

そして誰よりも速くなっていた。

競う相手がいなくなっていた。




結構簡単に速くなるもんやな(笑)

ネイルと融合した直後のピッコロさんのような気分だった。






井の中のKAWAZU状態だった私は軽い気持ちでとある練習会に参加した。


しかしそこは大勢のフリーザたちが巣食う世界だった。

勇気を出して飛び出した外の世界。

そこは戦闘力100万程度じゃお話にならない世界だった。






新潟県はその類まれなる天候故にその一年の半分近くはローラーに跨ることとなる。

一般的に実走と比較してストップアンドゴーが少ないため効率的とされているが、習慣化までのハードルは非常に高い。

起きれたは良いが2度寝して気づいたら5時間経っていたなんていうことはザラだ。

今ではほぼ毎朝自転車に跨る私とて例外ではなかった。

眠いのだ。

そりゃそうだ。


4時だ



もう一度言う

YO・JI・DA




ようやく跨ったかと思いきや眠すぎて集中力が続かない。

止める言い訳なんていくらでも思いつく。

実際に幾度となく3秒で止めた。

一度止めるとすぐ止める癖がついてしまう。

習慣化までは程遠かった。

しかしある日この出会いが私を変えてくれた。


カフェイン

一般名            無水カフェイン(Anhydrous Caffeine)
化学名            1,3,7-Trimethyl-1H-purine-2,6(3H,7H)-dione
分子式            C8H10N4O2
分子量            194.19
融点             235〜238℃

カフェインの主な作用は、中枢神経を興奮させることによる覚醒作用および強心作用、脂肪酸増加作用による呼吸量と熱発生作用による皮下脂肪燃焼効果、脳細動脈収縮作用、利尿作用などである。※Wikipedia





カフェインは世界で最も広く使用されている食品由来の覚醒物質だ。

コーヒー、お茶、コーラ、多くのエナジードリンクに含まれ、特に意識せずとも日常的に摂取している人も多いと思う。

世に蔓延る怪しいファットバーナーの中でも、その効果が確認されている数少ない物質だ。

意識せずとも摂取する機会が多いため、その効果を意識的に実感することは難しいかもしれない。




しかしコイツは強力だ。

これまで数十種類のサプリメントを試したきた私が、プロテインとマルチビタミン以外に一つだけサプリメントを選べと言われれば



間違いなくカフェインを選ぶ。

いや、クレアチンかも・・・。



Ⅰ. Dのカフェインルーティン

練習前にコーヒーを飲むローディも多いと思う。

しかし朝活はいつも遅刻との戦いだ。もちろんのんびりコーヒーなぞ入れている時間はない。

ということで私はカエフェインタブレットを活用している。

使用しているカフェインタブレットは以下。

これまでPROLABのカフェインを使用していたが、iherbで取り扱いを辞めたのかラインナップから消えていた。そこでかねてから気になっていたALLMAX Nutritionのカフェインタブレット(200mg*100錠)を購入。

カフェイン自体の成分には変わりは無いが、以下の画像を見てほしい。

ALLMAX Nutritionは真ん中に切れ込みが入っていて、100mgずつ摂取が可能なのだ。こいつはいい。超いい。

かなりオススメなので是非使用してみてほしい。


◆Dのカフェインルーティン

平日
・朝活前:200mg
・AM(出社後):コーヒー一杯(約100mg)
・PM(昼休み後)コーヒー一杯(約100mg)
のどが渇いた場合はルイボスティーやプロテインを飲むようにしている。
また寝る前はカフェインレスコーヒーを飲んでいる。

週末
・朝活前:100mg
・集合場所までに:ダイドーブレンド デミタス(105mg)
・帰宅後になんやかんだでコーヒー数杯:(わからんmg)



Ⅱ. ローディに嬉しいカフェインの効果と作用機序

アデノシン受容体遮断による精神運動刺激作用

成人男性は一日に約2000kcalのエネルギーを摂取する。そのエネルギーの半分はご存知ATP(アデノシン三リン酸)の合成に使用される。

このATPをアデノシン二リン酸とリン酸に分解する際のエネルギーを利用して我々は身体を動かしているのだが、このATPがシナプス間隙に入り込むことで脱リン化酸化され、そのアデノシンが受容体に結合することで神経活動は安定する。つまりは超眠たくなるのだ。

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アデノシン

アデノシンの構造は図のようにアデニンとリボースから成るヌクレオチドなのだが、このアデニンとカフェインは共にプリン塩基を有し構造が酷似している。

もうおわかりだろうが、このカフェインがアデノシン受容体に結合することでアデノシンの結合を阻害することで神経細胞は興奮する。結果として眠気が吹き飛び集中力が増すというわけだ。


カフェインは肝臓にて脱メチル化され、以下の様に代謝される。
・パラキサンチン(84%)
・テオフィリン(12%)
・テオブロミン(4%)

それぞれの効果は以下の通り。


◆パラキサンチンによる脂肪酸遊離の促進

・パラキサンチンは遊離脂肪酸の代謝を促進し、血中ブトウ糖や遊離脂肪酸レベルを上昇させる。それらは持久系運動時のエネルギー源として優先的に利用され、結果として脂肪燃焼が期待できる。そのため長時間のトレーニングにおいて筋、肝グリコーゲンを節約できるためロードバイクとの相性は最高なのである。


◆テオフィリンによる血流量の増加。

・気管支平滑筋の弛緩作用がある。が、治療用の処方量はカフェインの代謝量より遥かに高用量であるため、カフェインによるその効果は懐疑的。

・循環器系に作用し、腎血流を増大させ利尿を促す。


◆テオブロミンもテオフィリンとあんま変わらん。と思う。

カカオ豆中の主要アルカノイド。なのでココア、チョコレートにめちゃくちゃ含まれる。因みに犬にチョコレートあげちゃダメな理由(※)がこのテオブロミン。カフェインからの代謝率は4%と非常に低いため無視してもいいと思うが一応。これも血管拡張薬、中枢神経刺激薬として作用。
※マテ茶、ガラナもあげちゃダメ絶対。


代謝後も構造が似てるから、基本的に作用も似てくるんでしょうかね。あまり分解して考えなくても、カフェインの薬理としてひとくくりにしても良いような気がします。


◆ホスホジエステラーゼ(PDE)の阻害による筋収縮力の増加

いよいよ勉強していてよくわからなくなってきた。
骨格筋に直接作用して, 酸素消費, 熱産生の増大を起こし, 筋小胞体からの Ca2+ の遊離によって筋収縮が生じる。
スプリントの態勢を取る30分前になったら摂取しましょう。あなたもカヴェンディッシュになれるかもしれない(なれない)。



Ⅲ. カフェインの吸収、代謝

成人においてカフェインは個人差はあるが経口後30-120分で最高血中濃度に到達する。
個人の身体のサイズ、カフェインに対する耐性等から効果的な摂取量は一概には言えない。
ただ多くのカフェインのタブレットの含有量は150-200mgに設定されているため、その範囲に収まるのだろうと勝手に解釈している

カフェインの主要代謝ルートは肝臓の代謝酵素の働きにより、前述の「パラキサンチン」「テオブロミン」「テオフィリン」に代謝される。
これら代謝物は更に代謝され尿中に排出される。カフェインの半減期は4時間程度とされているが、これは肝臓、腎臓の機能に依存するため実際は2-8時間と幅がある。



Ⅳ. 市販されている飲料に含まれるカフェイン量

苦労して作った表だ!よく見てくれ!
※表は100ml当たりの量なので注意してほしい。

ローディ御用達のコカコーラは1缶飲んでも35mgと、カフェインの効果が欲しい場合にはちょっと足りない。
一般的な缶コーヒーのサイズは185ml。みんな大好きダイドーデミタスは150ml。小さいボトルキャップタイプは250-275ml。
量が多いと腹が重いので好んでデミタスを飲むが、一缶105mgと物足りない。
集合場所へ赴く途中に、BOSSドライブショットダイドーブレンドコーヒーを探してみましょう。



Ⅴ. 過剰摂取について

しかし、その強力な効果故に副作用もよく知られている。
一般的な成人では、1時間以内に 6.5 mg/kg 以上のカフェインを摂取した場合は約半数が、3時間以内に 17 mg/kg 以上のカフェインを摂取した場合はすべての場合に急性症状を発症する。
200 mg/kg 以上摂取した場合は最悪、死に至る可能性がある。

一般的には健康な成人は400mg/day以下であれば毎日摂取しても問題ないとされているが、特異的にカフェイン耐性の低い人や、身体のサイズにもよるので、自分の身体の変化を見ながら摂取量を決めたほうがいいのではないかと思う。

妊娠中の身体はカフェインの分解速度が1/3まで低下し、母体に蓄積されやすくなる。
また妊婦のカフェイン摂取は胎児に与える影響が大きく、胎児にとって大きな負担がかかる。
妊婦のカフェイン摂取量が制限される理由はこのためだ。(実際ははっきりしていない部分が多いらしいが・・・)
WHOからは妊婦のカフェイン摂取量/dayが300mgを超えた場合、流産等のリスクが上がるとのこと。
米国産科婦人科学会の推奨としては200mg以下とのことなので、身体の小さい日本人はさらに制限してもいいのではないかと個人的には思う。
というか、ほとんどの妊婦の方々は極力カフェインを摂取しないよう気をつけていると思いますが、何にカフェインが入っているかキチンと把握しましょう。


余談だがビタミン、ミネラル等各栄養成分の1日の必要量は男性の方が多い。これは男性の方が身体が大きいためであるが、中には女性(妊婦)の方がより多く必要となる栄養成分が存在する。

その代表が鉄、葉酸だ。

別に記事にしようかと思うが、女性用サプリメントには男性用と比較し鉄分、葉酸等が多く含まれている。
(※男性用、女性用のマルチビタミンは女性用を購入するとコスパ的にお得な場合が多い。

お茶やコーヒーなどのカフェインを含む飲料の多くには「タンニン」が含まれており、このタンニンが鉄の吸収率を著しく低下させる
なので鉄剤を服用している女性、特に妊婦さんはくれぐれもコーヒーやお茶で流し込むということはしないように!!



Ⅵ. ローディの為のカフェインの用法用量まとめ

◆トレーニング30分前までに飲みましょう。朝活ローディの場合は起床直後。

◆適正量は2-3mg/kg。50kgの人は150mg。70kgの人は210mg。

◆夜活派のローディは服用する時間帯に注意。





引用文献

・コーヒー/カフェイン摂取と生活 - カフェインの精神運動刺激作用と行動遂行 -
https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/bitstream/10087/10730/1/Vol7-1_p5-17Kuribara.pdf

・Caffeine exposure induces browning features in adipose tissue in vitro and in vivo
https://www.nature.com/articles/s41598-019-45540-1

・カフェインの薬剤に与える影響
https://kanri.nkdesk.com/touyaku/touyaku9.2.php

・ATPの産生(エネルギーを得るしくみ)
http://www.stnv.net/med/atp.htm

・カフェインはどのようにして私達を覚醒させるのか?―ハナン・カシムhttps://gigazine.net/news/20170724-how-coffeine-keep-up-awake/

・食品安全委員会ファクトシートhttps://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf

・アマニタムスカリア
http://amanita.ldblog.jp/archives/26399290.html

・農林水産省 カフェインの過剰摂取についてhttps://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html

・カフェイン薬理
https://dceoy.github.io/blog/post/caffeine_pharmacology/

・炭水化物ローディングとカフェイン摂取が時給的運動に及ぼす影響file:///C:/Users/Dhashimoto/Downloads/NUE42_2_45-52.pdf

・軽運動後のカフェイン摂取による持久力の回復についてfile:///C:/Users/Dhashimoto/Downloads/1880_9316_015_07.pdf

・日常生活の中におけるカフェイン摂取 -作用機序と安全性評価-https://www.tokyo-fukushi.ac.jp/introduction/research/images/bulletin/bulletin06_02.pdf