《D》サイクリストと痔

煙草は週に1カートン。

ラーメンは週に3回。

そして夕ご飯はもやしと赤ワインのみ。

加えて週8でゲーセン通い。と自転車を始める前の私は不摂生の限りを尽くしていた。

しかし健康診断の結果はオールA。


自転車を始めたのが2015年。

それからだろうか。

健康診断の結果に異常値が散見されるようになったのは。



自転車にのめり込んだ私は酒と煙草を辞め、それまで週8で通っていたゲーセン。というかゲーム自体をきっぱりやめた。

当時の自分なりに速くなることだけを考え、72kgあった体重は瞬く間に61kgまで落ち込んだ。

私の身長は180.5cmなのでそれは相当なガリガリ君で、今思い出しただけでも恥ずかしい。

妻には「おじいちゃんみたい。」だとか散々言われたが当時の私はそれでもいいと思っていた。




時は流れ2016年の夏の健康診断。

会社で結果を受け取った私の目にまず飛び込んできたのは

総合判定「G」

の文字。



見た瞬間は

「GoodのGかな?」

などとふざけた事を言っていたが、

なにやら血液と肝臓に異常値が見られるとのこと。

というかそれ以外にもめちゃくちゃ異常値が増えている。



特に酷かったのが

・赤血球数

・白血球数

・ヘモグロビン量

・ヘマトクリット値

これらが大幅に下限値を割っていた。

所謂貧血ってやつらしい。

最近やたらとフラフラするのはダイエットによる血糖値の低下じゃなくて貧血だった模様。

正直ヘマトクリット値が低いのはショックだった。



私が自転車を始めたきっかけの一つが漫画「OVER DRIVE」。

https://ja.wikipedia.org/wiki/Over_Drive_(%E6%BC%AB%E7%94%BB)

その中に登場する「北原ヨシト」というキャラクター。

彼は生まれつきヘマトクリット値がドーピングレベルで異常に高い値を示す特異体質で、酸素を運ぶ能力がマルコ・パンターニレベルというもう日本人が大好きな生まれつき最強タイプのキャラクター。

そんな生まれつき最強に多少の憧れがあった私は現実に打ち砕かれたのであった。



「開幕ガン不利やんけ。」

とまぁ最初は多少消沈していたものの、ダイエットも落ち着き体重が68kg程度で推移していた2017年の始めの頃には気にしなくなっていた。

ちなみに総合判定「G」というのは、もちろん「GOODのG」でも「頑張りましたのG」でも無く要再検査の意味である。



時は流れ2017年の夏の健康診断。

去年のことなど忘れていた私はこの年の結果にまた意気消沈するのである。

「ゴリゴリの貧血やんけ。」

正直肝臓はもうどうでもいい。

というかそんな酷くない。(そう思うことにした。)

それよりも貧血をなんとかせねば自転車練習しても意味ないやんけ!(実際はそんなことない)



ということで満を持して内科を受信することにした。



血液検査の結果を待って次の週。

やはり貧血。

しかし先生の顔が浮かばない。

原因がわからんのだとのこと。というか貧血に多く見られるのが鉄欠乏性貧血。つまりは鉄が足りなくて貧血の症状が出ている状態。

その場合の多くは鉄剤を飲むことで貧血は改善する。

私の場合、鉄はバッチリ足りていた。



そのようなケースにおいては体内からの継続的な出血を疑うようだ。

先生「大腸検査と胃カメラやってみますか。」

胃カメラは知ってるぜ。

あの細長いカメラを胃に入れるやつだろ?

大腸検査ってなんぞ?

ということで大腸検査とはコチラ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%85%B8%E5%86%85%E8%A6%96%E9%8F%A1

簡単に説明すると腸内をからっぽにして、肛門から細長いカメラを入れて観察してみましょう。

という検査。



アナラーとしての才能が開花していなかった?当時の私は躊躇した。

しかし貧血改善とヴァージンを守ることを天秤にかけたとき、僅かではあるが貧血を治すことの方が勝ったのである。



検査前日から絶食し下剤を飲み、当日の朝からおいしくないポカリっぽい液体を大量に飲む。

その度にトイレへ駆け込む。

容器の中から液体が空になる頃にはクリアな水のみが排出される状態になっていた。



検査自体は思いの外スムーズに進んだ。

正直胃カメラの方が10倍辛かった。

結果として胃は正常。ついでに検査したピロリも問題なし。

しかし大腸検査の結果が芳しくない。

というのも出口に近い部分が荒れている。潰瘍性大腸炎に近い症状だという。

潰瘍性大腸炎は難病指定されているものであの安倍元首相が引退を余儀なくされた原因だと言われている。しらんけど。



先生「状態は酷くないのでしばらく様子を見ましょう。ただ出血があるのでこの薬を中にチュッと注入してください。」

難病指定されている病気と知り、正直焦ったのだがまぁ実害が出ていないので良しとしよう。(ダメ絶対!)



とまぁチュッとすることにも飽きて時が経ち2018年の夏。

米国に赴任することになったため受診することとなった人間ドック。

ここでもやはり結果は貧血だった。



そして最近気になる事がある。

用を足した後に大便器が鮮血に染まる事があるのだ。

ティッシュに血がつくのはもう慣れたもの。

しかし大便器が鮮血に染まるのは困る。というか会社の便器が血で汚れる。

ということで前回とは別の病院を受診することにした。


今思い起こせばこの時期からだろうか。用を足した後に肛門から「ナニカ」が

Hola!

しているということ。


その「ナニカ」はテイッシュで拭き取った後に力めば中に引っ込んでいたのだが、なんとなく状態は悪化しているようだった。

その医院でも大腸検査をしてはっきりとしたことはわからずに二ヶ月分のヘモポリゾンを処方してもらいそのまま渡米した。



渡米してからの状態は良好だった。

今思えば米国にはウォシュレットがない。それが孔を制していたのかもしれない。



そして米国での活動も大幅に割愛して2019年に帰国。

帰国後の人間ドックでは中性脂肪以外は良好な結果で、貧血は改善していた。



そんなこんなで迎えた半年後の2020年の夏の健康診断。

総合判定「B」

また貧血やんけ・・・。

帰国してからというもののウォシュレットが良くなかったのかティッシュとパンツ(たまに浸透して作業着にも)に血がつくなんて日常茶飯事。

用を足した後に出てくる「ナニカ」も自然と元に戻ることはなく、ティッシュの上から指で押し込んでやらないと元に戻らない状態になっていた。



歳だしそんなもんな。

そんなふうに考えて時が流れ2021年の夏。

総合判定「B」

もはや貧血なんて気にしなくなっていた。

がその数ヶ月後の2021年の秋。

再び会社の便器が真っ赤に染まった。

前回の比じゃないくらいに染まった。

流石に焦った。そして写真を撮った。

上長に伝えてすぐまた前回とは違う医院に駆け込んだ。



先生に症状を伝えるとすぐにベッドに仰向けになってくださいとのこと。

そしてズボンとパンツを膝まで下げて横を向いてください。



年配の看護婦さん「はい!!いくよーっ!!!力抜いてーっ!!!」





先生「立派なものがありますねー。はい、ズボンを履いて座ってください。」

先生「内痔核です。所謂イボ痔ですね。」




イボ痔?




切れ痔じゃないの?

というかイボ痔ってなんぞ。ということでコチラ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%97%94%E6%A0%B8



イボ痔には4段階のステージが存在しているらしい。

私はそのステージ3であった。

治療するには薬での完治は難しく、手術をするしか無いとのこと。



その日はヘモポリゾンを二週間分処方してもらい帰宅。

その日からというものの貧血の症状が一気に加速した。

もう立っていられないのだ。

ロラってもL2が限界。

目の前が常にクラクラしてた。



二週間後再び病院を訪れる直前までも症状は改善することはなく、トイレの鮮血も続いていた。

その場でようやく貧血の症状の事を伝えると急遽血液検査を行うこととなり、その4日後に結果を聞きに行くこと再度爆院。

この長年連れ添った貧血の症状は、おそらくイボ痔から流れ続けている出血によるものだと告げられた。

このままだと鉄剤を飲み続けても意味がないので、すぐにでも手術が必要だとのこと。

が、最近ではいい方法がある模様で、

イボ痔をゴムで縛りうっ血させることでイボ痔を腐らせて落とす「ゴム輪結紮療法」というものがあるらしい。

ということで急遽



年配の看護婦さん「はい!!いくよーっ!!!力抜いてーっ!!!」




血液検査の結果を聞きに来ただけなのでまさかこの場で処置を行うとは。

アナラーとしても順調に成長していた?私は為されるがままにズボンをおろして横になったのだった。



先生「はい力抜いてください。はいいいですねー。ちょっと冷たいの入りますよー。はーい。」



先生「・・・。かなり大きいな・・・。」



先生「イボ痔のピークに太い血管がありますね。これはうんこの度に出血しますよ。」

先生「はい。縛っていきますねー。」



バチンッ!!

私「」



それからというもの出血はない。

たまに強い痛みはあるものの症状が改善している兆しがある。

イボ痔が落ちるまで1,2週間。

それから出血が止まるまで更に1,2週間かかるとのことだ。

その間当然自転車には乗れない。



ちなみにこれはつい先週の土曜日の話である。

そして明後日は2回目のワクチン接種。

なんやかんやで一ヶ月は自転車に乗らないことになる。

以前の私なら著しい体力の低下に焦りと憤りを感じていたと思うが、今は超ラッキーくらいにしか感じていない。

むしろこのまま釣り人として生きていく可能性すらゼロではない。




先生によれば肛門周りの血流が悪くなるロードバイク乗りはイボ痔のリスクが高いそうだ。


私から世のサイクリストに向けて言いたいことは

痔を放置してはいけない。

恐れずに大腸検査をしろ。

ウォシュレットは弱で短く。





私は一足お先にイボ痔を完治させて聖痔アナリストとして書籍でも出版しようと思う。